ハートオフィス・あおい

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2021年2月9日

眠れぬ夜に〔♯30〕『夢』とは?

みなさま、いつもありがとうございます。

眠れぬ夜に・・・
明日につながる希望の哲学シリーズ〔♯30〕

『夢(ゆめ)』とは・・・
『はかなさ』である。



~解釈とヒント~

『夢』と聞いて何を思い浮かべるでしょうか?

寝ているときに見る夢でしょうか?
起きているときに見る夢でしょうか?

寝ているときに見る夢は
睡眠中の人間が、あたかも現実であるかのように
抱いてしまう心像ですね。

これは、精神医学で
オーストリアの精神分析学者、ジークムント・フロイト(1856-1939)が
明らかにした『無意識』の領域です。

人間の心には無意識の部分があって
それは現実の生活と関係しているといいます。

いわば、外に現れない願望が
『夢』という形をとって出てくるのです。


では、起きているときの夢とは何でしょうか?

簡単に言えば、“思い描くもの”

大きく分けて2つあり

ひとつは、「夢を持て」というときの『夢』
(『理想』と言い換えることができると思います)
そしてもうひとつは、「夢のようなことばかり言うな」というときの『夢』
(『幻想』と言い換えることができると思います)

どうして2つのちが違いがあるかというと
おそらくそれは、現実でないものに対する
人の態度の違いに起因しているのでしょう。

つまり、現実ではないものや状態は
肯定的に捉える人と否定的に捉える人との違いになります。

(『理想主義』と『現実主義』の違いといっていいでしょう)


では、なぜ人は同じ『夢』というものに対し
まったく正反対の視点から捉えてしまうのでしょうか?

それは、夢の持『はかなさ』が災いしているのだと思います。

従来、日本でも和歌などに『夢』という言葉が多用されてきましたが
それらはすべて物事のはかなさを表現したものでした。

夢というのは、必ずしも叶うものではないからです。

大きな野望を抱いて、それに向かって一生懸命努力しても
叶わないことがあるのです。

豊臣秀吉の辞世の句に

「露と落ち 露に消えにし わが身かな 浪速のことも 夢のまた夢」

というのがありますが、秀吉は
天下統一が永遠に続くものではないことをすでに感じ取っていたのです。

この『はかなさ』が、夢に相反する2つの評価をもたらすわけです。


さて、ここに冒頭に挙げた、睡眠中に見る夢が関係してきます。

起きている間に人間に抱く夢が
肯定的に受け止められるにせよ、否定的に受け止められるにせよ
いずれにしても『はかなさ』を根底に有しているだけに
寝ているときに見る非現実の夢を同一のものとしてみなさざるを得ません。

ということは、やはり寝ているときに見る夢も
寝ているときの夢と同じ『願望』なのです。

願望であれば、抑える必要はありません。

いくらでも抱けはいいのです。


ただ、問題があって
起きているときの夢は、寝ているときの夢と違って
(起きているときに)行き詰まって夢から覚めても
現実に戻れることはないという点です。

現実の世界で夢を見てしまうと
行き詰まった責任も自分で負わざるを得なくなります。


ただ、その一方で
夢が叶うという利点も忘れてはいけません。

いうまでもなく、これはステキなことですよね。

そう考えると、寝ているときに見る夢くらいは
ありえないほどのステキなものであってもいいですよね。

今夜皆さんが、ステキな夢を見られることを祈りたいと思います。


(引用:『眠れぬ夜の哲学』小川仁志著 PHP研究所)