カウンセリング提供の際、カウンセラーが備わっておくべき条件(1/3)
みなさま、いつもありがとうございます。
カウンセリングを身近なものに。
カウンセラーはクライエントさんに対し、自身の意見で押しつけたり批判しないのはもちろんのこと
アドバイスすることや問題解決となるヒントを出すことさえも基本的にないといっていいでしょう。
これは、クライエントさん自身が自分の力(←もともとどんな人にも備わっている)で成長するために
カウンセラーがクライエントさんに 3つの態度条件 を持って接することが重要だという前提があるからです。
この条件は、クライエントの持つ “自己成長力” の信頼こそがカウンセリングの基本理念であることを示す『来談者中心療法』の創始者、カール・ロジャーズによって定義されました。
(それ以前は、専門家がクライエントに指示・助言するという形が一般的だった)
では、この3つの態度条件とは何でしょうか?
カウンセラーは、この条件を備えてクライエントさんに接することで、クライエントさんの
〔1〕ゆっくりと落ち着いて話ができ
〔2〕ひとつの話題をじっくり深化させることができ
〔3〕問題の本質的な部分に立ち入ることができ
〔4〕感情を解放しながら語ることができ
〔5〕知的(頭)にも感情的(心)にも真の理解が得られていく
援助を行うことができます。
(引用:『ほんものの傾聴を学ぶ』 諸富祥彦著 誠信書房)
① 無条件の肯定的関心(受容)
カウンセラーがクライエントを「あなたが○○の場合だけ認めます」といった条件を持たず、また、カウンセラーの価値観によって「この部分は大切だが、これは大切でない」といった取捨選択をせず、クライエントから表現された言葉・態度・雰囲気すべてを受容するという姿勢のことです。
ひとつの『空間』の中に、クライエントの『こころ』が自由に漂っているようなイメージでしょうか。
この、クライエントのこころが安心して自由に漂える空間をカウンセラーがつくることによって、クライエントは「自分はこのままの状態でいいんだ」と感じ、安心感をもつと同時に、おどおどしたり、「批判されるかもしれない」と恐れたりせず、気遣うことなく自由に話をすることができるようになります。
以降、あす、あさってと残り2つを書いていきます。