眠れぬ夜に〔♯8〕『愛情』とは?
みなさま、いつもありがとうございます。
眠れぬ夜に・・・
明日につながる希望の哲学シリーズ〔♯8〕
『愛情(あいじょう)』とは・・・
『自分のことを思う気持ち』である。
〔解釈とヒント〕
片思いの人を思い出したり、恋愛がうまくいってないとき
仕事や勉強が手につかなかったり、なかなか眠れなかったという経験をお持ちの方・・・
きっと多いと思います。
なぜ、ここまで心が “かき乱れる” のでしょうか?
それは、恋愛の本質が「相手を追い求める」ことにあるからであり
古代ギリシャの哲学者、プラトン(前427-前347)は
「恋愛の本質は『エロス』だ」と唱えました。
『エロス』とは「理想の状態を追い求めること」を意味します。
だから、“憧れ” になるのです。
理想の姿にあこがれる純粋な愛。
そこから、『純愛』は『プラトン的愛』だということで
『プラトニック・ラブ』と呼ばれるようになりました。
ちなみに、『愛』には3つの種類が存在していると言われています。
上に書いた『エロス』の他に
アリストテレスによって唱えられた『フィリア』
(『フィリア』=友愛、同胞愛)
キリストによって唱えられた『アガペー』
(『アガペー』=無償の愛)
があり、これら3つの違いをもう少し端的に言うと
『エロス』 = 一方的な憧れ、自分自身を愛すること
『フィリア』= 相手を自分のように愛すること
『アガペー』= 自分よりも相手の方を愛すること
となります。
このように、愛には3つの種類が存在するため
1人の人間が同時に複数の愛を持つことができます。
(妻に『エロス』、友人に『フィリア』、子どもに『アガペー』といった具合に)
また、人は愛の結果生まれ、人からの愛を受け取って育てられ
やがて人に愛を与えたり求めたりする存在になるわけですが、一方で
成長過程において「人からの愛を受け取って育てられた」部分が欠けていると
うまく愛を求めたり与えたりすることができなくなってしまう可能性があります。
(つまり、上手な恋愛ができない)
例えば
「ついつい恋人にきつい言葉を浴びせてしまう」と悩んでいたとしたら・・・
もしたしたら、小さいころ
親に同じようなきつい言葉を言われたことがあるのかもしれません。
(きつい言葉は、実は『愛情の裏返し』なのかも)
そうやって原因を一つひとつ丁寧につぶして
自分自身が育ってきた “愛の理解” が高まれば
いずれは、とてもステキな恋愛ができるものと思います。
また、恋愛は相手のあることなので
なかなか思い通りにならず、大いに悩んだり苦しんだりするわけですが
結局のところ、自分の気持ち次第というところに落ち着くような気がします。
(引用:『眠れぬ夜の哲学』小川仁志著 PHP研究所)